フランスの国会議員と電子書籍の法制化について意見交換

このブログでも何度か報告してきましたが、今、私が事務局長を務めている超党派の有志国会議員による「電子書籍と出版文化の振興に関する議員連盟」では、現行の出版権を電子書籍にも対応させて、電子書籍の流通促進と有効な海賊版対策を行うための著作権法改正の議論に取り組んでいます。

今日、同様の立法措置に取り組んでいるフランスの国会議員で、元財務大臣のエルヴェ・ゲマール氏が国会を訪問されたので、中川正春会長代行や馳浩幹事長ら議連役員と共に意見交換を行い、フランスにおける電子書籍の法制化の取り組み状況についてお伺いしました。

説明を伺うと、(1)フランスの法律の内容が、紙と電子の2部構成で出版契約を結ぶことや、著作物の電子化を認めない権利を著作者に持たせるなど、現在私たち議連が検討している法律案と共通していること、(2)法案化のプロセスについても、有識者、作家、出版者の代表で公式な協議の場を設置し、意見の摺り合わせを行いながら作業を進めてきた点なども、私たちの取り組み手法と大変似通っていることが確認できました。

また、アメリカのグーグルやアマゾンなどのビジネスモデルが、消費者(読者)のことばかりを考え、著作や出版活動への正当な対価を支払う意識が低いとの指摘や、海賊版を防止する一番の対策は、出版社が電子化にもっと積極的に取り組むことだとの指摘にも、私たちも全く同感の思いでした。

最後に、今後、この電子書籍にかかわる問題の国際的なルールづくりに向けてお互いに協力していくことを約束して、貴重な意見交換の場が終了しました。今後の議連の活動にも、大いに参考になりました。

第9回印刷文化・電子文化の基盤整備に関する勉強会

本日(2月18日)午後、「第9回印刷文化・電子文化の基盤整備に関する勉強会(通称、中川勉強会)」を開催。私も構成メンバーの一人として参加してきました。

この中川勉強会は、元文部科学大臣の中川正春衆議院議員(民主党)を座長に、これまで2年間にわたって電子書籍に関する出版者への権利付与のあり方について議論を重ねてきました。昨年4月に中間的なとりまとめを行って、それが5月に立ち上がった超党派の電子書籍促進議連(私が事務局長を務めています)の基本方針につながっています。

今日の会合は、中川勉強会としては久し振りの開催となりましたが、現在、電子書籍促進議連の方で検討を進めている著作権法の改正案とは別に、将来的な書籍の登録制度やデジタルアーカイブ、さらにはその利活用のあり方についての検討を始めるために議論を再開したのです。

今日の会合では、まず私から、電子書籍促進議連を代表する立場で著作権法改正案(議員立法)の進捗状況と要点について報告させていただき、続いて、昨年4月に「出版者の権利のあり方に関する提言」を出していただいた中山信弘氏東京大学名誉教授から、その提言に含まれていた書籍の登録制度とナショナルアーカイブ構想についてのお考えをヒアリング。最後に、中川勉強会として、今後この登録制度とナショナルアーカイブ構想について議論を進めていくことを確認し、終了となりました。

情報化社会が到来する中で、日本が誇る出版・印刷文化をいかに護り、育てて行くか、今後もしっかりと検討を進めながら、具体的な政策提言を行っていきたいと思っています。

「2020-ICT基盤政策特別部会」が議論を開始します

いよいよ、情報通信(ICT)分野における規制・競争政策に関する見直し論議が本格的にスタートします。

2010年12月に決定した「ブロードバンド普及促進のための基本方針(いわゆる「光の道」構想)に基づいて、この間、(1)超高速ブロードバンドの基盤整備率100%、(2)その利活用率100%という二つの100%達成を目標に取り組みを進めてきたわけですが、その進捗状況を「毎年度の継続的なチェック」と「制度整備実施3年後の包括的検証」によって確認することも法律によって決められていました。これが「公正競争レビュー制度」というやつです。

そしてこの「3年後の包括検証」が今年行われるわけですが、これについて総務省は、1月28日、情報通信審議会に対し「2020年代に向けた情報通信政策の在り方−世界最高レベルの情報通信基盤の更なる普及・発展に向けて−」というテーマで諮問を行いました(報道発表はこちら)。

この諮問において、「答申を希望する事項」には次の4項目が掲げられています:

(1) 2020年代に向けた情報通信の展望
(2) 情報通信基盤を利用する産業の競争力強化のための電気通信事業の在り方
(3) 情報通信基盤の利用機会の確保や安心・安全の確保のための電気通信事業の在り方
(4) その他必要と考えられる事項

これを受けて情報通信審議会は、その検討を行う場として「2020-ICT基盤政策特別部会」を設置することを決定。今日、その構成員と初回の開催日が公表されました。第1回会合は、2月26日に開催されるとのことです(報道発表はこちら)。今後、この特別部会の下に専門委員会が設置されて、具体的な検討はその専門委員会で行い、折に触れて特別部会を開催して方針を決定しながら進めて行くことになると思います。

情報通信分野の未来を占う上でも大変重要な議論ですので、私もしっかりと検討の動向に注視していきたいと思います。

情報労連・石川県協「新春セミナー」で講演・・・なんと2時間!

1月22日(水)、前日講演を行った長崎から、羽田経由で小松へ飛び、そのまま金沢へ。市内で開催された情報労連石川県協&NTT労組石川グループ連絡会共催の「新春セミナー」に参加して、講演させていただきました。

この日いただいた持ち時間は、なんと、2時間! そしていただいたお題も、「児童労働問題」「国際労働運動」「情報通信政策」「労働・雇用政策」など、盛りだくさん。せっかくなので、全てにしっかりお応えしようと準備も万端。結局、1時間50分、弾丸トークで講演させていただきました!

いや、それにしても、会場に来て頂いた皆さん、よくぞ2時間も講演にお付き合いをいただきました。1時間を過ぎた辺りで会場から座布団が飛んでくるかと思った(笑)のですが、皆さん、最後まで本当に熱心に耳を傾けて下さいました。ありがとうございました。

しかし、2時間も時間があったにも関わらず、質疑応答の時間がほとんどなくなってしまい、かつ皆さん疲れ果ててしまったのか、質問はゼロ(涙) う〜ん、この辺はまた反省点ですが、2時間の枠と全てのテーマをしっかりこなしたことでご勘弁下さい。

さて、講演終了後、引き続き、新春の集いにも参加をさせていただいて、そちらでもひと言、お集まりの皆さんにご挨拶をさせていただきました。

そして、この新春の集いでは、情報労連の若手組合員の組織である「ACTY」のメンバーが大活躍。司会進行から、余興のビンゴ大会の進行まで、運営の全てを完璧に取り仕切って素晴らしい会を提供してくれました。

で、私も新春の集い終了後、ACTYメンバーの反省会に顔を出させて頂いて、メンバーと色々な課題について意見交換。「ぜひ今度、ACTYで国会見学会を!」と提案すると、皆さん「ぜひ!」と。近い将来に実現することを期待しましょう!

そして、一晩明けた今日の午前中は、金沢市内の情報労連加盟組合を中心に、挨拶回りをさせていただきました。久し振りの石川県訪問でしたが、学習会から新春の集い、ACTYとの交流、そして挨拶回りと、本当に盛りだくさんの行動内容でした。お世話になった情報労連石川県協、そしてNTT労組石川グル連の皆さん、本当にありがとうございました!