「電子書籍と出版文化の振興に関する議員連盟」総会にて著作権法改正案の成立を確認

4月2日(水)の午後、私が事務局長をつとめる超党派の「電子書籍と出版文化の振興に関する議員連盟」の今年度第2回目となる総会を開催し、電子書籍に対応した「著作権法改正案」についての協議を行いました。

はじめに、総会の直前まで開催されていた、衆議院文部科学委員会での法案審議状況を各党質問者から報告いただき、主な論点と政府側の答弁内容について確認しました。その上で、議連としての最終的な方針を次の通り決定しました。
    1. 法案の内容については、電子書籍に対応していない出版権の問題を打開するために大きな前進を図ることが出来る観点で、議連としては賛成する;
    2. その上で、これまでの議連方針と異なる点を中心に、懸念される点を委員会質疑を通じて明らかにするとともに、必要な事項を附帯決議に盛り込むべく、働きかけを行う;
    3. 著作者と出版者との今後のルールづくりをしっかり見守りながら、出版権の集中管理機構やナショナル・アーカイブ等、日本の出版・印刷文化の振興のために必要な施策の実現を求め、今後、更なる活動を続けていく。
 以上のように、議連として法案の成立に一致協力して努力を続けて行くことと、将来的な課題に向けて議論を継続していくことを決定しました。引き続き、議連の事務局長としてがんばっていきますので、今後の取り組みにぜひご注目下さい!

 

 【委員会質疑で確認すべき事項】

1.本法の目的と出版権制度の拡充・利活用促進

  • 本法の目的が、我が国の多様で豊かな出版・活字文化を一層発展させ、著作者の権利を保護しつつ多様な著作物を多様な出版形態でより多くの国内外の利用者に届けていくことにあること。
  • そのため、真に実効性ある海賊版対策を確保するなど、出版権制度の拡充と利用促進に向けて必要な対策を行う必要があること。

2.出版制度の尊重

  • 我が国が世界に誇る出版・活字文化は、著作者と出版を引き受ける者との間の信頼関係に基づく、企画から編集、制作、宣伝、販売という一連のプロセスからなる出版制度がその基盤にあること。
  • 本法によって設定可能となる電子的な公衆送信にかかる出版権の下でも、この出版制度が尊重され形で運用されること。

3.雑誌等、複数の著作物によって構成される著作物

  • これまで出版権設定が進んでこなかった雑誌等、複数の著作物によって構成される著作物などについても出版権設定が可能であることを確認し、周知すること。
  • 加えて、物権的に細分化された出版権が設定された特定の出版物の海賊版が流通した場合でも、効果的な海賊版対策を行える措置を講じること。

4.塩漬け問題の回避

  • 本法案では、効果的な海賊版対策を講じる観点から、著者が契約締結時において電子書籍を出版する意志や計画がない場合であっても1号出版権・2号出版権を一体的に設定することが推奨されるが、その後、著者が電子書籍の出版を希望する(当該出版者または別の出版者)に至った場合に、当事者間の調整が整わず、著者の意図に反して出版が行われないまま塩漬けにされることがないよう適切な対策を講じること。

5.2号出版権のみ設定された場合の海賊版対策

  • 電子的な海賊版については、ひとたびインターネット上で公衆送信行為が行われれば完全に差し止めることは困難で、甚大な被害が生じてしまうことから、2号出版権しか持たない出版者においても違法配信目的で複製がなされた場合には著作権法第112条の「出版権を侵害するおそれがある場合」としてその段階で差止請求を行い得ることを周知しつつ、その具体的な事例について研究を行うこと。

6.みなし侵害規定の検討

  • 真に有効な海賊版対策を講ずるため、今回の改正で見送られた「みなし侵害規定」の創設を含め、実効性ある対策について速やかに検討に着手すること。

7.海外の海賊版対策

  • 海賊版については、日本国外での被害が圧倒的多数であることから、その対策強化をはかるための国際的な連携・協力の強化など、海外での不正流通取締対策に積極的に取り組むとともに、出版物の正規版の海外流通の促進に向けて官民挙げた取り組みを推進すること。

8.登録制度に係る検討

  • 出版権の登録・管理制度、およびナショナル・アーカイブ等を早急に整備するため、具体的な検討に着手すること。
  • また、当事者間の契約上の紛争予防および紛争が発生した際の円満な解決の促進をめざし、出版契約における裁判外紛争解決手段(ADR)を創設すべく必要な対策を講ずること。

9.障害者のための著作物利用の促進

  • 障害者のための著作物利用の促進と円滑化に向けた著作権法の適切な見直し、特に、障害の種類に関わらず全ての障害者がそれぞれの障害に応じた形態の出版物を容易に入手できるよう第37条第3項の改正を検討すること。

(以上)

 

UNI本部ICTS部会アラン・テイト局長がご来訪!(事務所だより)

本日午前中にUNI本部ICTS部会アラン・テイト局長がいらっしゃいました。

次のご予定もあるとのこと、かなりの急ぎ足で国会見学へ。

まずは本会議を傍聴。傍聴席の椅子は建設当時(大正〜昭和初期)の成人男性のサイズでつくられているらしく・・・狭かったですよね。きっと。。。

議事堂内もお隣の国会図書館の桜並木も今が満開、見頃です。

今日はアラン局長と一緒に、情報労連の宮原執行委員、NTT労組から取材のため佐々木さんもご一緒に来訪されました!

元林秘書も加わり、みんなで記念撮影!

見学後、議員と意見交換させていただきました。

皆さま、お忙しい中お越しくださりありがとうございました。

 

民主党「多文化共生議員連盟」として法務省入国管理局長へ申し入れ

先日(3月26日)のブログ記事「民主党多文化共生議連第2回総会を開催!」の中で、去る2010年3月22日、国費送還中に死亡したガーナ国籍男性ABUBAKAR AWUDU SURAJ氏(スラジュ氏)に関する国家賠償請求訴訟で、東京地裁が3月19日、入管職員の行為とスラジュさんの死因とに因果関係があることを認定して国家賠償を命じる判断を下したことについてお知らせしました。

裁判の原告であるスラジュ氏のご遺族、そしてこれまでご遺族を支えてきた支援団体の方々は、この判決の内容について必ずしも満足はしていないものの、入管職員側の行為の不当性を認定していることなどを積極的に評価し、政府に対しても、この判決を真摯に受け止め、控訴することなく入管の対応の抜本的改善に取り組むことを訴えておられます。

すでに民主党の法務部門会議でも、本件についてすでに2度にわたってヒアリングを行っています。3月27日(木)に行われた2回目のヒアリングには法務省入管局の担当に来てもらって、控訴を断念することを訴えるとともに、(1)国費送還の実施方法に関する内規が事件後に改善されたことについて、改善前のものと後のものを資料として提出すること、(2)入管職員に対する人権教育の実施状況について、使用されているテキスト等を含めて資料提供すること、などを要請しました。

そして、3月28日(金)の午後、緊急で、3月26日の多文化共生議連総会で決定した法務省に対する要請行動を行いました。法務省側の対応は、入管局長を初めとする担当者たち。議連側は、会長である中川正春衆議院議員、事務局長の私、事務局次長の徳永エリ参議院議員、そして幹事の神本美恵子参議院議員の4名が参加。要望書の内容は、主に①控訴を行わないこと、②判決内容を真摯に受け止め、入管職員の対応や国費送還のあり方について抜本的な改善を行うべく、直ちに検討に着手すること、③抜本的な改善が実施されるまでの間、強制的な国費送還は行わないこと、の3点でした。

 

本当なら、谷垣大臣に直接、手渡しして要望したかったのですが、まだ係争中の案件であることを理由に入管局長への要請となりました。しかし谷垣大臣にしっかり要望内容を伝えるよう要請したのは言うまでもありません。控訴期限は4月2日とのこと。何とか政府には控訴を断念し、一刻も早く入管行政の在り方、改善等の見直しに着手して欲しいと思いますし、当議連としても重要な課題として引き続き議論を進めていきたいと思います。

インターン終了!(インターンだより)

インターンの淺田です。

早いもので、インターンを初めてから2か月が経過しました。

本日で一旦インターンは終了です。この間に様々な経験をさせていただきました。

普段新聞やテレビでしか知ることのできない世界を自分の身をもってその空気と共に感じることができました。

また夏にも少しだけインターンをさせていただきますが、またこの空気を感じることができるチャンスがあると思うと、とても嬉しく思います。

大変なこともありましたが、自慢できると同時に自分の糧になった貴重な経験であったと思います。ありがとうございました。

第2弾!NTT労組東京総支部 春休み国会見学ツアー!(事務所だより)

本日もNTT労組東京総支部22名の皆さまと、春休み国会見学ツアーをさせていただきました。

まずは昼食から!インターン淺田君が美味しそうな写真を撮ってくれました。

昼食後、会議室の外ではSPや衛視さんたちがたくさん・・・何やら厳粛な空気が・・・・・

議員会館内での会議出席のため、安倍総理が移動中とのこと。遠くからですが、石橋議員の到着を心待ちにしている中、安倍総理にもご挨拶できました!!

今日もたくさんの質問を頂き、和やかな意見交換会となりました。

ちなみに、石橋議員は小さいころの夢はプロ野球選手!好きな色は紺!!などなど秘書も知らない発見がありました。

 

最後は議事堂見学。

午前中に参議院本会議が行われていたため、450畳の広さの本会議場を、とっても長いホースのついた掃除機で掃除の真っ最中でした。掃除の現場を見るのも珍しかったです。

初夏のようなお天気の一日、ご参加いただきました皆さまありがとうございました!

参議院厚生労働委員会で質問に立ちました!

本日(3月27日)行われた参議院厚生労働委員会で、民主党会派を代表し、議題となった「雇用保険法の一部を改正する法律案」の質疑に立ちました。

今、常任委員会の所属は文教科学委員会ですので、今日は委員を差し替わっての登板。昨年の通常国会以来、久し振りの厚生労働委員会での質問となりました。

なぜ私が今日、厚生労働委員会の質問に立ったかというと、3月6日(木)の参議院予算委員会で私が質問に立った時に、雇用保険事業の一つである「労働移動支援助成金」のあり方について質問したのですが、答弁に立った田村厚生労働大臣がすれ違いの答弁を行った(つまり、質問の意味を取り違えて答弁した)のです。そのために、今日はあらためてこの「労働移動支援助成金」についてその内容を質すため、質問の機会をいただいたのでした。

質疑の詳細は、参議院インターネット審議中継の録画でご覧をいただきたいと思いますが、今日の質疑を通じて、来年度予算でなんと300億円もの巨額予算が付けられたこの「労働移動支援助成金」が、運用次第で、ちまたで懸念されているように「リストラ支援助成金」となり得るものであることを明らかに出来たと思います。

簡単に言いますと、この助成金は、労働者のリストラを決めた企業(送り出し企業)が、対象となった労働者の再訓練と再就職の支援を民間人材ビジネス会社に委託した場合、まず委託費用を支払った際に10万円の奨励金が支払われ、再就職が成功した際に委託費用の半額(または中小企業の場合は3分の2)から最初に支払った10万円を引いた額が成功報酬として支払われるというものです。

さらに、その対象となった労働者を雇用した企業(受け手側企業)が、その労働者を期限の定めのない労働者として雇用し、さらにOFF-JT/OJTなどの訓練を実施した場合に、その訓練費用などに助成金を支払います。

これが、安倍政権の言う「成熟産業から成長産業への失業なき労働移動」の目玉の事業なわけです。

さて、パッと聞くとなかなか良さそうな事業に聞こえるかも知れませんが、しかし中身はまったくいい加減なものと言うことが今日の質疑を通じて明らかになりました。

送り出し企業が受け取る最初の10万円は、再就職が成功するしないには関係なく、受け取ることができます。さらに、成功報酬は、再就職先が非正規雇用であっても受け取ることができるのです(雇用保険の被保険者になることが唯一の要件)。また、再雇用されても、その雇用が継続するかどうかは問われません。極端に言えば、有期で31日以上雇用されて雇い止めにあっても、成功報酬は支払われるのです。

派遣労働も対象になりますので、派遣事業者に登録して31日以上働いて、それで終わりになってもOKということになってしまいます。

これで、1企業、最高で年間500人まで、一人当たり上限60万円まで奨励金が支払われます。今回から大企業も対象になりましたので、例えば500人リストラした大企業が、人材ビジネス企業に総額6億円の委託を行い、非正規でも派遣でもいいから再就職を実現させれば、3億円の奨励金を受け取ることが可能ということです。

また、受け手側企業への奨励金は、労働者を期限の定めのない労働者として雇用することが条件になっていますので、送り出し企業への奨励金よりは条件が厳しくなっているように見えます。しかしこちらも、派遣労働でもO.K.なので、とりあえず常用型の派遣労働者として雇用して、何がしかの訓練を提供すればそれで奨励金を受け取ることが出来てしまうのです。

問題は、これがなぜ、「成長産業への移動支援」になるのかということです。

送り出し側は、再就職先が非正規でも構わないし、受け手側も、派遣労働でも構わないわけです。何と言っても、厚生労働省はこれまで、この助成金事業の対象となった企業や労働者が、いったいどの産業のどの分野の企業・労働者で、どの分野にどのような雇用形態で再就職が出来たのか、全く把握していなかったというのです。

つまり、政策効果がまったく検証されていない事業を「成長産業への失業なき労働移動」の目玉政策と位置づけて、300億円もの巨額の予算を付けてしまったわけですね。結果、喜ぶのは奨励金を貰ってリストラができる送り出し企業であり、巨額の委託事業を引き受けることができる人材ビジネス会社だけだったという結果になってしまうのではないか、これが私たちの懸念なのです。

今日の質疑で、最後に田村厚生労働大臣は、今までまったく把握していなかった対象企業や労働者の産業分野や異動先の雇用形態などの情報を把握し、その結果を公表して政策効果の検証を行うことを約束しました。今日の問題提起が、今後の事業の運用に一定の歯止めを掛けて、間違っても「リストラ支援助成金」にならないよう、私たちもきっちりチェックをかけて行きたいと思います。

民主党「多文化共生議連」第2回総会を開催!

本日(3月26日)午後、民主党「外国人の受け入れと多文化共生社会のあり方を考える議員連盟(以下、多文化共生議連)」の第2回総会を開催しました。

今日の総会は、実に盛りだくさんな内容! はじめに、日本国際交流センターの毛受敏浩(めんじゅとしひろ)執行理事より、「日本の人口問題と社会・経済への影響〜移民議論の活性化をめざして」というテーマで講演をいただき、意見交換。講演の中で毛受さんは「日本の人口減少は今後、さらに加速化していく。社会の基本的サービスや経済の活力を維持していくためには、外国人を受けるしかなく、そのために政府として:1.移民受け入れの必要性とメリットを明確にすること; 2.ソフトランディング政策の強力な支援体制を整備し、外国人とのWin-Win となるビジョンを提示すること、などが必要であると強調されました。

講演に続き、現政権が検討を進めている外国人の受け入れ拡大政策について、その主な検討事項や今後のスケジュールを中心にヒアリング。具体的には、「外国人受け入れのあり方に関する議論の状況(内閣府:経済財政諮問会議、産業競争力会議等)」、「外国人技能実習制度の改革(法務省、厚労省)」、「高度人材ポイント制度の改革(法務省、厚労省)」、「2020東京オリンピックに向けた外国人労働者(主として建設労働者)受け入れの特例措置(国土交通省)」、「経済連携協定(EPA)等における介護士、看護士の受け入れ拡大(厚労省、外務省)」をテーマに各省庁担当者から説明してもらいました。

詳細な説明は省きますが、端的に言って、現政権はなし崩し的に外国人労働者の受け入れを拡大していこうとしています。外国人技能実習制度については、国内でこれまでにも様々な問題(人権侵害等)を引き起こしているのですが、その抜本的改善には触れず、単に拡大だけを検討しているわけです。しかも、「労働者不足を解消するために技能実習制度を活用」とまであからさまに言い始めています・・・(実習制度はあくまで研修のためのもの。労働力不足解消のためと言った瞬間に、制度の存立基盤そのものが破綻してしまうはずなのに)。

議連としては、今後、民主党内での政策議論に資するために、これらの短期的な課題を検討する作業チームをつくり、対応していくことを決定しました。

会合の最後には、ガーナ国籍の男性が、国費(強制)送還中に法務省入国管理職員の不当な制圧行為によって窒息死してしまった事件、「スラジュさん送還死亡事件」に関する国家賠償請求訴訟で、3月19日に東京地裁が原告「勝訴」の判決を出したことについて協議。結果、多文化共生議連として、ご遺族や支援NGOが政府(法務省)に対して控訴断念の要請を行うことを支援し、法務大臣に対して:1.控訴を行わないこと、2.判決内容を真摯に受け止め、入館職員の対応や国費送還のあり方について抜本的な改善を行うべく、直ちに検討に着手すること、3.抜本的な改善が実施されるまでの間、強制的な国費送還を行わないこと、を要請する要請書を提出することを決定しました。

こういう残念な事件がある限り、なし崩し的に外国人(労働者)の受け入れ拡大を図ることは、むしろ社会にとっての負の影響を拡大してしまう懸念があります。政府には、ぜひ誠意ある対応を要請したいと思います。

以上、今日の多文化共生議連総会の報告でした!

民主党「文部科学部門会議」で著作権法改正案について団体ヒアリングを実施

かねてより、私が事務局長を務める超党派の「電子書籍と出版文化の振興に関する議員連盟」で議論を進めてきた「電子書籍に対応した出版権の創設を図るための著作権法改正案」が、いよいよ来週から、衆議院の文部科学委員会で審議入りすることになりました。これに呼応して、民主党として本法案に対する対応を検討、決定するために、党政策調査会の「文部科学部門会議」での検討論議が今日からスタート。超党派議連の事務局長を務めている関係で、私がその担当主査として、議論の進行ととりまとめ役を務めることとなりました。

初日の今日は、著作権者団体の方々からヒアリング。文芸、美術、写真、漫画など、各分野の著作者の方々を代表する組織の皆さんから、それぞれの立場で改正案に対する意見を聴かせていただきました。

ご意見の具体的な中身はここで明らかにすることは出来ませんが、概ね、改正案の内容には満足をされつつも、細かい点での懸念点は少なくない、という感じでした。今後、今日いただいたご意見を踏まえて、民主党としての考えをまとめていきたいと思います。

なお、明日は朝8時からの文部科学部門会議(定例)で、出版業界の代表者をお招きして第2回目のヒアリングを行います。今後の検討の模様にぜひご注目下さい。