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7月28日(火曜日)住民票を持たない野宿者やホームレスの方、ネットカフェに寝泊まりしている方(以下、「野宿者など」)が特別定額給付金を受け取れるよう、当事者団体や支援団体19団体が要請書を立憲民主党 政調会長筆頭代理の石橋議員に手交した後、意見交換会を行いました。

冒頭、渋谷で路上生活者を支援している「のじれん」の下川雅嗣・上智大学教授は、「総務省が特別定額給付金の対象者を『住民基本台帳に記録されている者』に限定しているため、自治体窓口で、住民票のない人は給付申請さえできないケースが多発している。住民票がない人にも特別定額給付金を配れるスキームを求める署名を集めていて、8月4日に総理大臣、総務大臣、厚生労働大臣に提出する」と口火を切りました。提出予定の請願書には、住民票が消除された人、劣悪な施設に住めない・借金があるなどの理由で住民登録できない人も、生きているという実態に基づき、平等に給付してほしいとの考えのもと、以下の要望が列挙されています。
(1)住民票がない人を差別することなく、住民登録しなくても、「全国すべての人々」に給付してほしい
(2)すべての手続きを、居住自治体の窓口だけで、費用負担なくできるようにしてほしい
(3)野宿者などへの給付の仕組みを確立・実施する時間を確保するため、申請期間を延長してほしい

 武蔵野市を中心に活動を展開する「夜まわり三鷹」の荒瀬礼子さんは、「各地で自治体に交渉しているが、総務省の見解が変わらないと自治体は動けない。現実に即した対応ができるよう、地方自治体に権限を持たせるべき」と言葉を強めました。

当事者団体「ねる会議」の小川てつオさんは、野宿者などに対する特別定額給付金の給付スキーム案として、以下を提案。総務省は「煩雑」なので実施できないと言っているが、数千人程度の話なので、できないわけではない、と話しました。
① 野宿者などが居住する自治体が、専用窓口を設置し申出書などを作成する。
② 居住自治体が、<名前、生年月日などから住基ネットを閲覧し、確認する。

A. 住民票が存在している場合は、申請書を発行し、現金書留を含めた方法で、給付を支給。
B. 住民票消除の記録がある場合は、居住自治体から最終登録自治体および本籍自治体に照会。住民票の消除及び同給付金未給付の証明書を送ってもらった後、居住自治体が、本人確認の上、申請書を発行し、給付金を支給。
C. 住基ネットに消除記録もない場合は、戸籍の附票、親族の戸籍、出入国記録マスタファイルなどを参照して本人確認を行い、Bと同様の手続きを行う。

聖公会野宿者支援活動・渋谷の楡原民佳さんは、「福祉的な施策なら、野宿者は真っ先に対象となるべき。10万円あれば、数カ月から半年間生活でき、普通の人とは重さが違う。『全国すべての人々が対象』となっている支援から自分たちが切り捨てられると、人として存在が認められていないとして、深い心の傷になる。『煩雑』で片づけられる問題ではない」と訴えました。

これに応えて石橋議員は、「この件は当初から問題意識があり、5月の厚労委員会でも支給を促してきた。一部改善したが、原理原則が変わっていない。何のための給付金か。最も弱い立場の人に一日も早く支援が行き届くようにするべき。決断さえすれば、道はあるはずなので、われわれも働きかけていきたい」と力を込めました。