一橋大学 経済研究所の小塩 隆士さんをお招きして、「所得格差・貧困と再分配政策」についてご講演いただきました。主なポイントは以下のとおりです。

①日本社会は、所得格差が拡大しているというより、総じて貧困化している

②日本の再分配政策は、年齢階層間の所得移転が中心であり、たとえば「子どもの貧困」「高齢者の貧困」といった支援すべき人を支援できていない

③再分配政策を「困っている人を困っていない人が助ける」仕組みに再編成すべき。具体的には、税額控除など低所得層に狙いを絞った対策や低所得高齢者の支援をより強化するために最低保証年金の制度化、年齢とは関係なく所得に応じた負担を求める税制の導入の必要性を提言されました。

最後の社会保障制度を与党だけで決めるのではなく、野党も参加した協議体で決めないとうまくいかないとの指摘が印象に残りました。