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 本日(9月20日)午前10時から、「第1回 裁量労働制実態調査に関する専門家検討会」が厚生労働省の建物の18階で開催され、石橋事務所を代表して傍聴をしてきました。

 今年の通常国会においては、政府が裁量労働制拡大の根拠としてきた「平成25年度労働時間等総合実態調査」に数々の重大な誤りが発見され、働き方改革関連法案から裁量労働制の拡大が提出前に削除されるとともに、実態調査のうち裁量労働制に係るデータの撤回を余儀なくされる事態が生じました。また、その後も一般労働者のデータについても、異常値の続出や同一の調査票が6事業場について重複して提出されていたことなども判明し、再三再四に渡り、国会への報告も行われたところです。

 参議院における国会審議の中でも、この問題は焦点の一つとなり、参議院厚生労働委員会の附帯決議には、石橋議員の提案で以下の文言も盛り込まれました。

十八、裁量労働制については、今回発覚した平成二十五年度労働時間等総合実態調査の公的統計としての有意性・信頼性に関わる問題を真摯に反省し、改めて、現行の専門業務型及び企画業務型それぞれの裁量労働制の適用・運用実態を正確に把握し得る調査手法の設計を労使関係者の意見を聴きながら検討し、包括的な再調査を実施すること。その上で、現行の裁量労働制の制度の適正化を図るための制度改革案について検討を実施し、労働政策審議会における議論を行った上で早期に適正化策の実行を図ること。

 今回の検討会は、こうした経緯を踏まえて開催されたものであり、第一回目の本日は、主に調査対象についての有意義な議論が行われましたが、今後も月1回程度の会議を開催し、裁量労働制の実態把握のための新たな調査設計について、互選により選出された西郷浩早稲田大学政治経済学術院教授を中心に、年内を目途に議論の整理が行われる予定です。石橋事務所としても、新たに行われる調査が真に公正なものとなるよう、しっかりとウオッチしたいと思っています。

 最後に余談です。写真でおわかりになるかわかりませんが、今回の検討会は「ペーパーレス開催」で、各構成員・省庁担当者の机にはタブレットが置かれ、労働政策審議会などでお馴染みの膨大な資料の分厚いファイルの姿はありませんでした。私たち傍聴者も事前に公開された資料をデータで持ち込むか、プリントアウトして持って行くかになるのですが、今後はこうした形態の会議がどんどん増えていくのかもしれません。  (報告者:渡辺秘書)