本日(3月25日)開催された参議院文教科学委員会で、私立学校法改正案の質疑が行われ、私が民主党会派を代表して55分間、質問に立ちました。
詳細はぜひ、いつものように参議院インターネット審議中継ホームページ(文教科学委員会の3月25日を選択して下さい)で録画をご覧いただければと思いますが、今日の質疑は、後半、少しイラだった感じで質問している様子が見ていただけるのではないかと思います。なぜイラだったかというと、政府側の答弁があまりに的外れ(わざと?)で、こちらの質問に対して全く真摯に応えようとしなかったからなんです。
私立学校法というのは、私立の学校法人に関するルールを定めている法律です。ご存じの通り、教育分野では、特に大学などの高等教育レベルで私立学校の役割が大変大きくなっています。その私立学校に、それぞれの建学の精神に則って独自性ある豊かな教育を提供してもらうために、自主性を最大限に重んじながらも、同時に高い公共性も確保してもらうために、一定のルールを定めて管理運営を行ってもらっているわけですね。
しかし残念ながら、私立学校の管理運営上の問題が少なからず発生しています。特に、昨年初めて、まだ在校生がいる私立の学校法人に解散命令が出され、実際に解散となった私立学校が出てしまいました。それが学校法人・堀越学園の事例です。この事例を契機に、学校法人のあり方が再検討され、その結果として今回の私立学校法改正案が国会に提出されてきたわけです。
私たちも、このような経過を受けて同法を改正するの必要性については理解しますし、改正案の内容にも一定の理解はするわけです。しかし、今回の改正案の内容だけでは、恐らく堀越学園のようなケースの再発は防げないだろうと考え、その問題点を追及しながら今後の更なる改善につなげる気持ちで今日の質問を行ったわけです。
最大の問題は、堀越学園の事例において、文部科学省が監督庁として多くのミスをしてきた(例えば、財務書類の虚偽記載に気づかなかったり、現行法上可能な罰則措置を適用しなかったり)にも関わらず、その自らの失敗を真摯に認めようとしないことでしょう。今回の改正案の主たる内容は、管轄庁の行政指導権限を強めるもの(ほぼそれだけ)なので、少なくとも現在の文科省にはその体制も能力も足りていないことを認めないことには、前に進む改善は望めないからです。
さらに、本来必要なのは、学校法人の管理運営体制の健全化、特に内部のチェック機能を高めるような改善を行うことなのですが、この点、今回の法案からは完全に抜け落ちてしまっています。そもそも現行法の下では、理事長や理事会に全ての権限が集中してしまうことが問題の本質なのですが、その点について何ら手が打たれていないのです。
今日の質疑では、主にこれらの点について指摘をした上で、今後の取り組みを促しました。下村文科大臣はじめ、政府側からはいくつか重要な答弁を引き出し、さらに附帯決議に重要事項を盛り込むことが出来たので、まずまずいい結果を出すことができたのではないかと思っています。しかし、繰り返しますが、政府側の答弁があまりに酷かったので、これはこれで今後の課題として対応を考えていきたいと思います。
以上、今日の参議院文教科学委員会での質疑模様でした! あさっての木曜日(3月27日)には、今度は厚生労働委員会で雇用保険法改正案の質疑に立ちますので、また応援宜しくお願いします!