月曜日から始まった参議院予算委員会での平成26年度予算案審議、連日白熱した議論が続いています。その中で、私も事前にお知らせしていた通り、昨日と今日の2日間続けて質問に立たせていただきました。まずは、温かいご声援をいただいた皆さん、応援ありがとうございました!
質疑の模様は、参議院インターネット審議中継サイトの予算委員会のページで動画をご覧いただけますので、ぜひご覧下さい。ちなみに、3月5日(水)の分は約30分。今日、3月6日(木)の分は約75分あります。
2日間で取り上げさせていただいた主な課題は下記の通りですが、それに対する安倍総理や田村厚労大臣の答弁からいくつかポイントを挙げておきます。
1.好循環の実現と非正規雇用との関係について
・安倍総理は、2002年から2007年の戦後最長の好景気期に、企業業績が絶好調でありながら労働者の賃金が上がらなかったことについて、「企業が未来への投資を行わなかったから」と答弁しました。これは一面において正しい分析ですが、しかし一方で、当時の自民党政権(小泉-竹中コンビ)が行った政策的な間違い、つまり雇用の柔軟化の影響を(意図的に)無視しています。
2.女性の活躍の意味
・安倍総理は、私の質問に対して「もちろん、私の言う女性の活躍は全ての女性の活躍である」と確認しましたが、では一方で、女性雇用の3分の2を占めている非正規雇用問題にどう対応していくのか、という点については具体的な答弁はありませんでした。ちなみに安倍総理、雇用や労働関連の質問に対しては、いつも気持ちが入っていない答弁振りです。分からないのか、どうでもいいと思っているのか・・・。
3. 労働者派遣法の改正問題について
・田村厚労大臣は、派遣労働は引き続き「臨時的・一時的」な雇用であって、「常用代替にはならない」と答弁しました。しかしその具体的な措置は担保されておらず、法律に具体的に書き込むべきではないかという質問に対してはお茶を濁されました。派遣法については、これからさらに追及していく必要があります。
4.ODAのあり方について
・安倍総理は、昨年からさかんに外遊を繰り返して、途上国、特にアフリカに対する資金供与を大盤振る舞いしていますが、そもそもODA(政府開発援助)にはODA大綱という基本方針があって、その目的などが明確に定められています。実際、安倍総理は、日本の企業進出や資源利権の確保を前面に出したODA外交を展開しているわけですが、これはODA大綱にも反します。その辺を外務大臣に追及したかったわけですが、総論ではしっかり答弁をいただけるものの、各論的な話になると苦しい答弁になります。これはむしろ、岸田外務大臣と安倍総理と考え方が違うからなんかも知れません。
今回の2日続けての質問、決まったのが今週の月曜日午後のことだったので、いささか準備不足の感はありましたが、それでも重要な論点について安倍政権の方針の誤りを追及することが出来たと思います。来年度予算案の審議はまだ続きますが、もう3月中の質問はないと思います。一方で、文教科学委員会など、所属委員会の審議もありますので、次はそちらで頑張ります!
【参議院予算委員会での主な質問項目 3月5日(水)〜3月6日(木)】
1.好循環の実現と平成26年度予算案における労働・雇用関連予算
- 好循環実現に向けて、平成26年度予算案において「労働・雇用関連事業・施策」にどの程度の優先順位がつけられているか(安倍総理)
- 平成26年度予算案における労働・雇用政策関連の予算額と前年比がどうなっているか(田村厚労大臣)
- 一般会計予算における労働・雇用関連予算が減少(=社会保障関連経費に占める雇用予算:1,822億円、前年比8.2%減、構成比0.6%)している理由について(田村厚労大臣、安倍総理)
2.好循環の実現と非正規雇用問題
- 2002年〜2007年の戦後最長の好景気期に労働者の実質賃金(所定内)が上昇しなかった理由は?(安倍総理)
- 正規雇用の減少、非正規雇用の増加が、労働者の実質平均賃金、勤労世帯の可処分所得、個人消費(消費支出)を減少させたのではないか?(安倍総理)
3.女性の活躍と非正規雇用問題
- 安倍総理の言う「女性の活躍」のイメージと、平成26年度予算における位置づけは?(安倍総理)
- 女性労働者における非正規雇用の割合がどうなっているか?(田村厚労大臣)
- 非正規雇用女性労働者と正社員との処遇格差はどうなっているか?(田村厚労大臣)
- いわゆる「M字カーブ」とマタニティ・ハラスメント(育休切り)の実状に関する政府の問題認識と、平成26年度予算における女性の就労継続支援策について(田村厚労大臣、安倍総理)
4.労働者派遣法改正問題
- 過去の労働者派遣法の改正と派遣労働者の数の推移との関係、及び今回の改正案が派遣労働者の数にもたらす影響について(田村厚労大臣)
- 派遣労働は、臨時的・一時的雇用であることをいかに担保するかについて(田村厚労大臣)
- 派遣労働者と正社員・契約社員との均等待遇を実現するための方策について(田村厚労大臣)
- 今回の労働者派遣法改正案によって、結果として派遣労働者の数が増大すれば、最もその影響を被るのは女性労働者(求職者)であるという指摘について(安倍総理)
5.労働者派遣法の適用監視・遵守徹底体制
- 労働需給調整指導官の体制について(田村厚労大臣)
- 労働者派遣法改正案が労働需給調整官の責任範囲、業務内容、業務量に及ぼす影響について(田村厚労大臣)
6.労働移動支援助成金
- 労働移動支援助成金の仕組み、予算額、政策効果について(田村厚労大臣)
- 労働移動支援助成金は「リストラ支援金」ではないかという指摘について(田村厚労大臣)
7.失業対策と雇用保険制度の見直し
- 一般会計予算における失業者・求職者対策事業について(田村厚労大臣)
- 平成25年度補正予算における「短期集中特別訓練事業」の入札にかかわる不正疑惑について(田村厚労大臣)
8.ODAの目的について(岸田外務大臣)
9.国際公約であるGNI比0.7%のODA予算達成について(岸田外務大臣、麻生財務大臣)
- 過去20年間のODA予算額とGNI比の推移、ODA支出GNI比0.7%の実現の可能性と方策
- 革新的資金調達メカニズムの推進について、リーディンググループメンバーとしての国際的コミットメント
- 国際連帯税についての考え
10.JICA環境社会配慮ガイドラインとモザンビーク・プロサバンナ事業について (岸田外務大臣、JICA副理事長)
11.ミャンマーへのODA支援のあり方について(岸田外務大臣)
- 少数民族地域の和平の進展と、社会・経済基盤の再建、避難民・難民の帰還支援等への支援について
- 日本企業の進出拡大に併せ、健全な労使関係制度の構築・整備に向けた政労使の協力・連携した支援について