2月27日から28日の2日間、参議院文教科学委員会の委員派遣で、秋田市に視察に行ってきました。
今回の視察の主な目的は、(1)学力向上に向けた現場での創意工夫の状況、(2)教育委員会の実状と、教育長や首長との関係の状況、(3)大学教育の実践の状況、などについて調査を行うことでした。これらの目的に照らし合わせて、市内の小学校、高校、県教育庁、そして秋田国際教養大学を訪問して、ヒアリングを行ってきました。
上の写真は、最初に訪問した小学校で校長先生からヒアリングを受けた時の写真。この学校では、小学校1年生、3年生、6年生の算数の授業を見学したのですが、子どもたちと先生が一体となって授業に取り組んでいる様子にビックリ。特に、6年生の算数の授業は、とっても独創的で、単に数式を覚えさせるのではなく、なぜそうなるのか、何が分からないのかなどを論理的に思考して、3人一組のチームを組み、他のクラスメートに説明したりお互いに教え合ったりする手法が採られていました。これはイイ!
あとで質疑の時に先生にお聞きしたら、これはこの学校だけの独自の取り組みではなく、市全体で取り組んでいる手法だそうです。この辺が、秋田の学力の秘密なのかも知れません。
続いて市内の高校にもお邪魔したのですが、雪の中で練習していた野球部の姿が印象的でした。この高校では、約95%の生徒が部活動に参加していて、そしてほぼ99%の生徒が大学へ進学しているそうです。ただ、ここ数年は、生徒の志望が高くなっていて、現役合格率は低下しているとか。しかも大半の生徒は都会の学校や予備校へ進んでしまうということでした。この辺は、地方に共通の悩みですね。
さて、初日の最後にお邪魔した県庁では、佐竹知事から挨拶を受けた後、教育行政の現状について教育庁からお話しを伺い、意見交換しました。私も、(1)少人数学級と学力向上との関係、(2)教育庁と教育委員会との関係について質問。前者については、徐々にではあるが着実に成果が見えてきていること、後者については、秋田では現状の体制下でも比較的上手く連携が機能していること、など説明がありました。
日が変わって、2日目の今日(2月28日)は、国際教養大学(IAU)を視察しました。私は個人的に、このために今回の視察に参加したと言っても過言ではないほど楽しみにしていた訪問です。
以前、このブログでも書いたと思いますが、国際教養大学について知ったのは4年ほど前のこと。秋田に、世界に通用する学生を育てている凄い大学があるということで、調べて見たら本当に凄かったのです。授業は全部英語。教授の半数は外国人。1年目は必ず寮で外国人と一緒の部屋で生活。そして全員が1年間必ず留学、などなど。結果、就職率は毎年ほぼ100%なのです。
今回の訪問で、素晴らしい教育方針と施設を確認することができました。懇談に参加してくれた4人の学生たちは、みなすでに留学を経験し、就職も決定した4年生でしたが、しっかりとした考えと将来ビジョンを持った学生でした。こういう学生を輩出しているからこそ、就職も都会の大手企業を中心に、ほぼ100%の状況が続いているのでしょうね。ただ、就職については、やはり地方大学の苦労も大いにあるとのことで、いかに企業に秋田まで足を運んでもらうかが勝負、とのことでした。
今回、国際教養大学を訪問していて、私は自分のかつての留学を思い出していました。大学4年の秋に急きょ、アメリカ留学を決意して、全く何も分からない状況からアメリカの大学10数校に英語で資料請求し、そして選んだ5校に願書を出して、最終的に南部のアラバマ大学を選んで留学したこと。そして最初に入った語学学校で、南米、アジア、中東からの留学生たちと一緒に英語を学んで、「これが世界なのか〜!」と楽しくて仕方なかったこと。ある意味その経験が、秋田で出来るのですから素晴らしいことですね。
そして、見学させていただいた図書館は、それはそれは素晴らしいものでした。なんと言っても、365日24時間開館というのが凄い。私が学生だったら、恐らく連日ここで本に埋もれて眠っていることでしょうね(笑)
以上、2日間の秋田視察の様子でした。今回の訪問で得られた情報を参考に、今後の文教科学委員会での議論にしっかり臨んでいきます!