今日行われた参議院「政府開発援助(ODA)等に関する特別委員会」の参考人質疑で、民主党を代表して質問に立ちました。
今日の委員会は、「60周年を迎える我が国ODAの現状と動向に関する調査」ということで、政府からの説明聴取の他、参考人として出席頂いたJICAの田中明彦理事長、神戸大学大学院国際協力研究科の高橋基樹教授、国連開発計画(UNDP)の近藤哲生駐日代表、そしてアジア経済研究所の平野克己上席主任調査研究員からそれぞれ意見陳述を受けた後、質疑を行いました。
詳細は、参議院インターネット中継の録画中継で中身をご覧いただければと思いますが、私からは、主に以下の5点について質問を投げかけ、ODAの現状に関する問題提起を行いました。
1.政府やJICAが「我が国ODAがめざすは裨益国の経済成長」と言うが、ODAの本来の目的とは何なのか?(高橋参考人への質問 →裨益国の国民の利益が第一であり、貧困撲滅や社会的発展をめざすべきと回答)
2.JICAがめざすのは「裨益国の経済成長」と言うのではなく、「裨益国の社会開発や貧困撲滅をめざす」と言うべきではないのか?」(JICA田中理事長への質問 →もちろん、貧困撲滅のために経済成長を目指していると回答)
3.「スマートな開発支援(裨益国の痛みや苦難を共有しながら必要な支援を行うこと)を行うべき」との意見に共感を覚えるが、今の日本のODAは果たしてそうなっているのか?(高橋参考人への質問 →良くなってきているが、まだまだ課題は多いとの回答)
4.課題は、日本でも裨益国でも、当事者の関与やNGOの参加参画を確保することだと思うが、例えばモザンビークで起きているプロサバンナプロジェクトに関する問題について、どのような意見をお持ちか?(高橋参考人への質問 →進め方に課題があると認識しているとの回答)
5.近藤参考人から、ディーセントワークの実現が国際協力の目標の一つとの発言があったが、JICAの事業ではそれをいかに確保しようとしているのか?(JICA田中理事長への質問 →環境社会配慮ガイドラインに沿って進めているとの回答)
6.その環境社会ガイドラインは、中身は大変素晴らしいけれども、実効性が担保されていないという批判が内外から上がっている。今後、当委員会でも、ガイドラインの遵守状況についてしっかりチェックを行っていくこととしたい。
今日は、質疑の時間が10分しかなかったので、論点の頭出しだけで終わってしまいましたが、これらの論点について今後、さらなる深掘りを行っていきたいと思っています。