11月26日(木)夕刻に、総務省講堂において標記会議が開催されました。
最初に総務省の方から、諸外国の携帯電話端末の実質負担額について比較表の説明がありました。詳しくは、配付資料 諸外国の端末の実質負担額 をご参照ください。
続いて、総務省より韓国で昨年10月から施行されている携帯電話端末の販売規制法の内容と効果について説明がありました。詳しくは、配付資料 韓国「移動通信端末装置流通構造改善に関する法律」の施行後の状況 をご参照ください。
そのうえで、今までのこのタスクフォースでの議論を踏まえて、総務省から以下のような「携帯電話の料金その他の提供条件」に関する3つの検討課題に対する論点の 提示がありました。
検討課題① 利用者のニーズや利用実態を踏まえた料金体系
・大手携帯電話事業者の現在のスマートフォン向けの料金は、ライトユーザにとって割高なものとなっていないか。
・スマートフォンのライトユーザ向けプランは年齢層や対象機種が限定されているが、スマートフォンのライトユーザ向けの料金プランの在り方について、どう考えるか。
・IoT時代に向けた国民の生活インフラとしてスマートフォンを普及させるため、どのような料金 プランが必要か。
検討課題② 端末価格からサービス・料金を中心とした競争への転換
・端末を購入した者が、端末を購入しない者よりも低い負担となる場合もある端末購入補助の現状は、日本独自のものであり、端末を買い換えない長期利用者や、端末を購入せずに通信サービス契約だけを行う利用者にとって、著しく不公平なものとなっているのではないか。
・端末購入補助について、大手携帯電話事業者において行き過ぎは是正すべきとの認識が共有されている。一方、事業者間の競争がある中、その適正化を実現するため、事業者団体による取組、行政からの働きかけによる取組について、どう考えるか。また、その際に、価格 カルテルや再販売価格の拘束との関係について、どう考えるか。
・端末購入補助の行き過ぎの是正により、MNPによる顧客獲得競争が弱まるおそれがある ことについて、どう考えるか。
・発売から期間が経過した「型落ち端末」に対する端末購入補助について、どう考えるか。 ・端末の価格や通信サービス契約を解約した際の負担について、利用者が理解して契約できるような方策について、どう考えるか。
検討課題③ MVNOサービスの低廉化・多様化を通じた競争促進
・MVNOの費用の相当部分を占める接続料の在り方について、どう考えるか。
・MVNOの様々なサービスの多様化を可能とする加入者管理機能の開放について、どう考えるか。
・新規加入・MNP等の受付処理をワンストップで実行可能とする、MVNOと携帯電話事業者の顧客システムのオンライン連携について、早期の実現を促すべきではないか。
その後、メンバー間で提示された論点についての協議が行われましたが、検討課題①についてはライトユーザ向けに何らかの料金を創設する必要性について、検討課題③については格安スマホを普及推進するための方策を検討していくことでおおむね一致しました。検討課題②については行き過ぎた端末購入補助をどのように適正化していくかについて、事業者団体としての取組となると独占禁止法との関係で困難との意見や事業者それぞれの自主判断でうまくいくのか、行政からの働きかけの実効性をあげるにはどうすればいいのか等さまざまな意見が出されました。
今後、更に上記論点についてメンバー間で議論を深めて取りまとめ作業に入っていくことが確認されました。
最後に高市総務大臣からは、独禁法含めて踏み込んだ議論をして頂いたことへの感謝と、MVNO事業者への加入者管理機能の開放については日本再興戦略にも書かれていることなので事業者間協議の更なる促進を求めていくと述べられ閉会しました。 (報告者 田中秘書)