10月29日(木)午前に、民主党 厚生労働部門会議が開催されました。主な内容は以下のとおりです。

1)超党派議員立法「自殺対策基本法改正案」についてヒアリング

超党派「自殺対策を推進する議員の会」の事務局長の柳沢光美 参議院議員から、今までの取組経過の説明があり、続いてNPO法人ライフリンクの清水康之 代表から、「日本の自殺対策に、今なぜ改革が必要か」というタイトルでご講演をいただき、最後に参議院法制局より、今回の改正案の内容について説明がありました。

一番のポイントは、自殺対策の現場である「市町村」をいかに後押しするかということで、来年4月に自殺対策業務が内閣府から厚生労働省に移管されるタイミングで、推進体制の強化と予算の恒久財源化を求める内容の法案となっており、民主党としても議員立法登録し法案の早期成立を後押ししていくことになりました。

2)「一億総活躍」のうち厚生労働分野に関する内容についてヒアリング

安倍総理が突如打ち出した「一億総活躍社会」の実現に向けた取組みについて、内閣官房の一億総活躍推進室と3つの大きな目標のうちの「希望出生率1.8」と「介護離職ゼロ」に向けた取組みについて厚生労働省からヒアリングを行いました。

両方のヒアリングでわかったことは、どちらも体制を作っただけで中味はこれからだということ。内閣官房と厚生労働省それぞれに対策本部が置かれていて、その関係が整理できていないこと。何より、安倍総理が言っていることと、労働者派遣法を強行採決して強引に成立させ介護報酬の引き下げをするなど実際に行っていることとが完全に矛盾しており、一刻も早く国会を開いて国民に対して安倍総理自身が一億総活躍社会の中味を説明すべきということをあらためて政府与党に求めていくことになりました。

3)介護事業所の倒産の状況について

厚生労働省から介護事業者の動向について説明を受けました。介護事業者の倒産が過去最多になっていること。介護関係職種の求人倍率の動向をみると全国各地で人手不足に陥っており、今年度から介護報酬を引き下げたことが大きいのではないかと質問が多く出されましたが、「直接の影響があったかどうかわからない、事業者の収支状況を近く分析し、職員の待遇状況についても来春に向けて調べる」という悠長な答えに、もっと前倒しで厚労省は調べて介護職員の待遇改善のための予算を補正予算で確保していくべきではないか等の厳しい指摘が相次ぎました。 (報告者 田中秘書)