今日、6月18日(水曜日)の朝、私が事務局長を務めている「ILO(国際労働機関)活動推進議員連盟」の今年度第2回目の総会を開催しました。通常国会最終盤で、各党とも多くの会合が重なって開催されていたにも関わらず、17名もの国会議員メンバーが参加してくれました。また、いつも通り、ILO政労使理事組織の皆さん、ILO駐日事務所やILO協議会の皆さんにも多数、ご参加をいただきました。
今日の総会では、まず、今年上半期の活動報告を行ったのち、協議事項として、役員体制案、下半期活動計画案を私から提案し、満場の拍手で確認・承認をいただきました。役員体制については、先の臨時総会で、川崎二郎衆議院議員(自民党、元・厚生労働大臣)に会長にご就任いただき、これまで会長を務めていただいた高村正彦衆議院議員(自民党、党副総裁)に顧問にご就任いただくことを決定しておりましたが、今回新たに、これまで空席となっていたみんなの党からの常任幹事ポストに、山田太郎参議院議員にご就任いただくことを承認いただきました。
続いて、5月28日から6月12日まで、スイス・ジュネーブで開催されていた第103回ILO総会の結果について、政府側理事である伊澤章厚生労働省総括審議官から概括的な報告をいただき、さらに連合及び経団連代表から、日本の労働代表及び使用者代表の立場から補足的な報告をしていただきました。
いくつか重要な報告があったのですが、中でも特に、おととしのILO総会で問題が発生して以降、正常化に向けて努力が続けられていた「条約・勧告適用委員会」の審議について、残念ながら今年も労使間の対立が解消されず、審議される予定の25案件のうち19案件について委員会としての結論を出すことが出来なかった点がもっとも重要な報告だったと思います。
この問題は、結社の自由に関するILO第87号条約に「ストライキ権の保障」が含まれるか否かについて、これまでILOの「条約・勧告適用専門家委員会」が「第87号条約第3条の規定から当然に含まれる」と解釈して運用してきたことに対して、使用者側が(なぜか今頃になって)異議を唱えたことに端を発しています。それによっておととしの委員会で労使が対立し、審議案件の合意が出来ずに史上初めて、委員会審議が出来ない事態に追い込まれたのです。そして今年も、使用者側がその主張を崩さず、残念な結果になってしまったようです。
報告では、労使がそれぞれの立場から背景や考え方の説明がありましたが、いずれにしろ、ILO条約の適正な適用を監視し、国際的な努力を行うために最も重要なメカニズムの一つである「総会の適用委員会」が機能不全に陥ってしまっていることは、ILOの三者構成主義そのものが危機に瀕していることを意味します。議連としても、この事態を重視し、今後、その動向を注視していくことを確認しました。
また、ILOのガイ・ライダー事務局長が、総会の基調報告の中で「移民労働」について特に言及し、「世界中で数億人存在するとされる移民は、労働市場において最も弱い立場にあり、ILOとしてもグローバル化に対応した政策を創っていくことが必要である」と提起したことについても報告がありました。今、政府の成長戦略の中に技能実習制度の拡充や家事労働の受け入れ等を含む外国人労働者の受け入れ拡大政策が提起をされていますが、当議連として「移民労働の問題」についてさらに深く掘り下げていくために、今後、勉強会等を開催していくことを確認し、閉会しました。
労働問題が山積している今だからこそ、ILO議連の存在意義が高まっていると思っています。今後もしっかり活動していきますので、応援宜しくお願いします!