今日(11月5日)、衆議院の「地方創生特別委員会」で、今国会の目玉法案の一つとして政府が提出していた「まち・ひと・しごと創生法案」及び「地域再生法の一部を改正する法律案」の委員会採決が行われましたが、民主党は反対票を投じました。
皆さんもメディア報道などでご存じの通り、今回の臨時国会前に、政府・与党は突然、『地方創生』なるスローガンを持ち出してきて、それこそ突貫工事のようにこれら二つの法案を作成し、今国会に提出してきたのです。しかし私たちから見れば、今さら自民党が「地方創生」なるスローガンを打ち出すこと自体、「ちゃんちゃらおかしい」と断ぜざるを得ません。なぜなら、今の地方の状況を創り出したのは間違いなく、自民党政権だからです。
私たち民主党は、2009年の政権交代以前から「地域主権」を訴え、政権に就いて以降、中央集権的な予算配分システムの打破、地方自治体がより自由に使途を決定できる「地域自主戦略交付金(一括交付金)」の創設、国と地方との継続的対話の場の設置など、 具体的な政策を一歩、一歩、進めました。これらの政策については、地方自治体の皆さんからも大変高評価をいただいていたのは事実なのです。
その観点から言えば、私たちとしても地方を重視した政策の推進は大歓迎であることは間違いありません。
しかし、私たちは今日、地方創生関連2法案に反対しました。なぜなら、地域主権を政策の一丁目一番地として位置付けて具体的改革を進めてきた私たちだからこそ、「中身も、分権もない」今回の政府案では、むしろ地方再生に逆行することにな ると考えたからです。今日、民主党として公表した 政府案に反対するポイントは、以下の二点です:
(1)具体策の欠如
政府案に盛り込まれた、まち・ひと・しごと創生への基本理念はもっともな話ですが、それを具現化する内容が全くありません。本部の設置や総合戦略の策定な ど、会議体や計画を増やすだけ。石破大臣が述べた一括交付金も、法案の中には規定されていません。一方で、新交付金と称したビジョンなきバラマキの追求も垣間見られ、これで地方再生が前進することなどありません。
(2)国主導の上から目線
政府案では、国の「まち・ひと・しごと創生本部」が総合戦略を決定し、都道府県や市町村は、国の総合戦略を「勘案」して地方版の総合戦略を策定することが努力義務となります。しかしこれでは、国の総合戦略を横目で見ながら地方版の総合戦略を策定するということとなり、実質的に地方は国の枠にはめられてしまい、どこまでも国主導の政策になりかねません。
お分かりいただけるでしょうか?
私たち民主党は、地方が自由に使える一括交付金制度の復活(自民党は政権に就くなりこれを廃止してしまいました)や、米価対策、ガソリン対策など、個別具体的な対策を打ち出しつつ、地に足のついた地方再生を地方議員の皆さんと共に進めて行きます。
民主党の主張は判る気がします。しかし、民主党は良い主張をすると思い政権を任せると迷走ばかりで国民を落胆させました。人材が居ないと感じざるを得ませんでした。言うは易し、行うは難しです。政権を担う政党としては信用できないというのが、民主党への評価です。