日本は、第二次世界大戦後、「国民主権」、「基本的人権の尊重」、「平和主義」、そして「国際協調主義」を基盤とする現行『日本国憲法』を基に、すべての国民が社会の一員として平和の樹立と社会の発展に貢献し、かつその成長の成果を幅広く分配・共有することを通じて、平等で、公平で、公正な国づくりに努力してきました。
「充実した教育制度」、「長期安定的な雇用制度」、「安心・安全を守る社会保障制度」の三本柱を軸に、誰もが将来への不安なく、夢と希望を持って安心して働き、成長し、暮らしていくことのできる「共に生きる」社会の実現に向けて、みんなで力を尽くして頑張ってきたのです。
ところが、1980年代後半のバブル経済とその後の崩壊、さらには1990年代初頭の東西冷戦構造の終焉、急速なグローバル化の進展を契機に、日本は大きな転換期を迎えました。1996年以降の自民党政権、特に2001年以降の小泉政権は、「行財政改革」や「構造改革」の名の下に、日本の社会・経済制度を「市場原理優先の競争型社会」へと転換させ、「ささえあって共に生きる」公助・共助型社会から、「自分の力で何とかする」自助型社会へと国のかたちを変えてきました。