5月26日午後、私が事務局長を務めている民主党「外国人の受け入れと多文化共生社会のあり方を考える議員連盟(多文化共生議連)」の総会を開催しました。
今回の議題は、主に二つ。まず、諸外国がどのように外国人労働者を受け入れているのか、その受け入れ状況や制度、処遇のあり方や生活支援について、国立国会図書館に調査を依頼していたのですが、その中間的な結果が出来上がってきたので、担当者より説明を受けました。
続いて、中央大学兼任講師の宣元鍚(ソンウォンソク)氏より、韓国の非熟練外国人労働者受け入れ政策(労働許可制度)について解説いただきました。韓国では、日本が実施している技能実習制度に習い、外国人研修生の受け入れを実施していたものの、(1)非正規滞在者の増加、(2)不適切事例の多発(人権問題等)、(3)政策機能の低下等の問題が生じたため、早々と「雇用許可制度」という新たな制度を導入して、外国人単純労働者の受け入れを公式に実施することになったとのことです。
受け入れにあたっては、国内労働市場の補完性を担保するため(つまり、韓国人労働者の雇用を奪うことのないよう)に、「労働市場テスト」(企業が求人募集して、1週間以内に国内労働者から求職があるかどうかを確認してから外国人労働者受け入れの許可を決定)、「総量規制」(政府が毎年の外国人労働者受け入れ総数の上限を設定)、「雇用率」(産業別・企業規模により外国人労働者比率に制限を設定)等を決めています。また、労働者の権利を保護するために、差別禁止や労働法の適用を徹底し、定住化を防ぐために滞在期間を最長4年10ヶ月とする等の基本原則を適用して受け入れを行っているようです。
さらに、運用体制については、出入管理法で在留資格に「非専門就業」を設定。また、外国人労働者の就業・雇用管理をするための「外国人勤労者の雇用等に関する法律」を制定し、政府が主体的に需給調整する等、政府主導で需給スステムを確立するとともに、送り出し側の国の責任も明確にするように、送り出し国とMOUを締結して運用を行っているとのことでした。
当議連としては、引き続き、現行の外国人技能実習制度の問題点を洗い出しながら、韓国をはじめとする諸外国の制度事例を調査し、将来的な制度のあり方を検討していきます。