石橋議員が事務局長をつとめる「非正規雇用労働者の待遇改善と希望の持てる生活を考える議員連盟」の第2回目の勉強会が7月8日(水)午後に開催され、慶應義塾大学の清家 篤 塾長より「非正規雇用問題にどう対処すべきか」ご講演をいただき、20名近い出席議員と熱心な意見交換が行われました。清家塾長の主な講演内容は以下のとおりです。
1)正社員と非正規労働者の格差を、労働者間の利害対立として捉えるのではなく、むしろ非正規労働者の正社員化を進めることで格差是正を実現すべき。
2)働くものと企業双方にとって正社員のメリットは大きい。とりわけ人材を育てるための企業内の教育訓練は「投資」であり経済学的にも合理的な仕組み。学卒者の定期採用は、国際的にみて日本の若年失業率を低く抑えるのに大きく貢献している。
3)正しい処方は、正社員を減らすことではなく正社員になる機会を増やすこと。たとえば、学卒後3年間は新卒扱いとして企業は採用対象とし、何年かにわたって挑戦できる方法がある。「同一労働同一賃金」という考え方は、同じ賃金を払えばどこからでも同じ労働サービスを調達できるという考え方にもつながりかねない点に注意すべき
4)正社員の働き方、とりわけ長時間労働は深刻な問題であり、地域限定正社員・短時間正社員といった制度の出現は一つの解決策となりうる。二つの働き方があって、一方が他方より労働条件が良いとき、まず考えるべきは労働条件の良い方にあわせていくというのが常識的な考え方であり、正社員と非正規労働者の格差問題も、そこを間違えてはならない。
(報告者:田中秘書)