6月10日(水)早朝より、私が事務局長をつとめる「電子書籍と出版文化の振興に関する議員連盟」の今年度第1回総会を開催しました。
この議連は、新しいデジタル時代の中で、日本の素晴らしい出版・印刷・活字文化をさらに大きく育てていくために、電子書籍の流通促進や海賊版対策の強化などを目的に結成され、昨年の通常国会で成立した「改正著作権法」で大きな役割を果たすことが出来ました。その改正著作権法が、いよいよ本年1月に施行され、電子書籍を対象とした出版権設定が可能になったことを受けて、この勉強会では昨年の採択時に衆参委員会で議決された11項目にわたる附帯決議への対応状況について、文化庁・経済産業省・国会図書館よりヒアリングを行い、課題の洗い直しを行いました。
今回も、出版者団体や著作者団体の皆さんなど、30名近い関係者の皆さんに出席をいただき、代表して日本書籍出版協会の相賀昌宏理事長、日本出版者協議会の高須次郎会長、日本写真著作権協会の瀬尾太一常務理事からそれぞれのお立場で、改正著作権法の施行状況や今後の課題等についてご意見・ご提言をいただきました。
ヒアリングを通じて、現場の関係者の皆さんが、概ね、改正著作権法の施行状況について前向きに評価をされていることを確認することが出来ました。その上で、今後さらに電子書籍の流通促進や有効な利活用を進めて行くために、当議連として以下の課題をこれからの検討テーマとして確認しました。
- ナショナル・デジタル・アーカイブ構想
- 出版権登録・集中管理・権利処理機構構想
- 電子書籍価格設定問題(再販適用問題)
- 孤児作品(著作物)問題
- TPP交渉における著作権侵害の非親告化問題
- 出版物の海外展開の促進(翻訳機構構想)
今後は、これらの課題について優先順位を確認しながら、一つ一つ前に進めていきたいと思います。