3月19日(木)の朝8時より民主党「厚生労働部門会議」が開催されました。主な議題は、①裁量労働制の見直しや残業代ゼロ制度(労働基準法改正案)の検討状況、②医療保険制度の見直しについてで、厚生労働省や連合からのヒアリングを受けたあと、議員間で議論を行いました。

 

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裁量労働制の拡大に伴う議論では、私から厚生労働省に対し、裁量労働制における労働時間の実態調査について質問。厚生労働省が行った調査は、使用者側への調査を行ったもので、労働者側への調査は行っていないことを確認しました。つまり、実際の労働時間からはかなり少なめに結果が出てしまう懸念があるわけです。

それでも1日18時間超えの裁量労働制労働者が、専門業務型で8.5%、企画業務型で3.1%もいるという結果で、裁量労働制での長時間勤務の実態が浮き彫りとなりました。裁量労働制を採用している企業の約4割で、労働時間を適切に把握していないという調査結果もあるため、実態はもっと厳しいかも知れません。

また、裁量労働制適応労働者の脳・心臓疾患や精神障害といった労災に関わる件数も、きちんと把握されていない実態も分かりました。労働時間が把握されていない事業場が多いわけですから、過重労働起因で何か起こっても、労災申請すら困難なわけですね。

今回の労働時間規制の見直しについては、残業代ゼロ法案または過労死促進法案または定額働かせ放題法案と呼ばれるべき「高度プロフェッショナル労働制」に注目が集まりがちですが、短期的にはこの裁量労働制の拡大の方が悪影響が強いのではないかと危惧しています。何せ、ある種の営業職にも適用が拡大されるのですが、定義の仕方次第では、数百万人規模の営業職労働者に裁量労働制が適用できるようになってしまうからですね。要注意です!

なお、医療保険制度の見直しについては、患者申出医療の創設、健康保険の標準報酬月額の上限額の引き上げについてを議論しましたが、こちらも問題多し・・・。ふぅ〜、安倍政権はいったい労働者を何だと思っているのか・・・(-.-#)