すでにご報告した通り、今通常国会では、私がこれまで2年半にわたって取り組んできた「電子書籍に対応した出版権を創設するための著作権法改正案」を可決、成立させることが出来ました。しかし、これは新しい時代に出版・印刷文化を発展させていくための第一歩に過ぎなくて、むしろこれからが勝負だということもお伝えしていたと思います。
そのこれからの展開の一つの大きな課題が、出版物の国際展開です。
文芸作品や漫画など、日本の素晴らしい出版物を海外に送り届けていく取り組みは、これまでにも官民それぞれで、またお互いに連携したイニシアチブも含めて様々な取り組みがなされてきました。しかし、なかなか総合力を発揮して国際市場で戦っていける状態にはなっておらず、所期の成果を上げているとは言い難いのが実状です。
そこで、出版者や関係省庁などが横断的に議論し、我が国の出版文化の国際展開のための政策形成に資することを目的に、中川正春衆議院議員と一緒に関係者懇談会を立ち上げることとなり、6月17日(火曜日)に第1回目の懇談会を開催しました。会合には、これまでにも国際展開に取り組んできている出版社代表の皆さんや、文化庁・経済産業省・国際交流基金といった関係機関が参加してくれて、我が国出版物(電子書籍を含む)の国際展開に関わる問題点・課題について、活発な意見交換を行いました。
今後、懇談会で提起された課題等を整理しながら、これまで著作権法改正に取り組んできた中川勉強会(印刷文化・電子文化の基盤整備に関する勉強会)や電子書籍と出版文化の振興に関する議員連盟において具体的な政策立案を行っていきます。日本の素晴らしい出版物を世界に届けていくための取り組み、しっかりやっていきたいと思います。